[2010/05/07]
いよいよ、きました! monokuroのプロデューサーであり、デリ シャスレーベル主宰者である山中さわお氏を迎え、“Across the meeting with 酒”を決行! 2人の出会いまで遡り、2009年の韓国ライヴでの秘話、そして6月23日にリリースするさわおさんの初のソロアルバム『ディス チャージ』についてなど、様々なことを話しました。ここでしか知ることのできない2人の雰囲気が伝わるといいです。
磯谷「それでは、今日はうちのボスを招いて(笑)」
山中「これ何回目?」
磯谷「4回目ですね。4回目でボス登場なので、今回で終わりということで(一同笑)」
山中「ステージ4で? 短くね?(笑)」
スタッフ「まだnoodlesが……」
山中「ある意味ボスだな(一同笑)。yokoちゃん、意外に俺にボソッと指令出してくるから(笑)。皆と何の話をしてるの?」
磯谷「適当です。僕がホストということなんですけど、基本的に皆、僕よりしゃべるんですよ。なので、さわおさん好きにしゃべってください」
山中「いや俺、別にしゃべりたくて来てるわけじゃないんだけど(笑)。そんなこと言われても、ほっとかれたら(酒を)飲むだけだから」
磯谷「(笑)。さわおさんと僕の出会いは、さわおさんも色んな所で聞かれてると思うんですけど」
山中「そうだね。ARABAKIだよね」
磯谷「そうですね」
山中「その時にデモテープをもらったんだもんね。俺は(デモ)CDをもらったら必ず聴いて、全部ゴミ箱にバーンって全部捨てる(笑)」
磯谷「あははは! ゴミ箱に捨てるアーティストは、イントロだけを聴いて捨てるとかあるんですか?」
山中「ちゃんと聴くよ。どんな声なのかとか、もしかしたら何か 起きるかもしれないって思って一応聴くけど、まぁ起きないね。別に良い音楽でも捨てるよ。デリシャスレーベルっていうことを何もわかってないで送ってくる 盆暗がいるからさ。全レーベルに送るっていうね。すごいちゃんとしたボサノヴァとかね、きちゃったりするのよ(笑)。そういうのは捨てるけど monokuroは、おぉって思った。でもさ、あの時オルタナじゃなかったじゃん。もっと歌モノで」
磯谷「普通のギターポップみたいな感じでしたね」
山中「そう。だから、おぉって思って、絶対良いなって思ったから、うちの影のボスのyokoちゃんに“どう思う?”って聞いたら、“いいねぇ”ってなって、ゴミ箱にバーン捨てて(一同笑)」
磯谷「あはははは! じゃあ、全部捨てるってことじゃないですか(笑)。僕らも、当時からは色々と変わったと思うんですよね」
山中「すごい変わったと思うよ。でもね、君たちは若者だから変 わるなんて当たり前なんだよ。例えばさ、30歳くらいから注目されてデビューするバンドなんていっぱいいるわけよ。でも、18とか19・20歳っていう、 人に知られなくていい時期ってあるじゃん。何をやってるかわからない時期。俺なんか、もろに20歳の時から知られちゃってるんだけど(笑)。そこは知られ なくて、うだうだ迷ってていい時期なのに、たまたま見られちゃってるんだよね」
磯谷「見られなくていい時期ってありますよね。まさに、僕はその時期がありました」
山中「その時期は知られなくていいんだよ。たまたま、俺に知られちゃったけど(笑)」
磯谷「本当、そうですよね。あの知られなくていいような、出来損ないの僕らだったんですけど……ラッキー(笑)」
山中「曲が良かったからね。(磯谷が渡したデモに)「メンソウル」が入ってたんだよな。あと「女性」と、」
磯谷「「ひとつのメロディ」とか」
山中「そうそう。「メンソウル」が、相当良いなって思ったからね」
磯谷「「ワスレナ時」とかね」
山中「俺が「ワスレナ時」を歌ったバージョンがあるよな(笑)」
磯谷「あはははは! レコーディングで早く録り終わった時に、さわおさんが全部歌うって言って(笑)」
山中「老後の楽しみに、俺が歌うっていうのをね(笑)」
磯谷「コーラスも全部さわおさんバージョンで」

山中「誰にも聴かせない、自分がふふって笑ってしまうようなものがあるんです」
磯谷「そうだ! アメリカの話をしようと思ってたんだ」
山中「おぉ。アメリカ行くね」
磯谷「去年、韓国に連れてってもらって、今年はmonokuro初アメリカ」
山中「ロスとサンフランシスコ」
磯谷「撃たれないように気をつけないと……」
山中「どういうこと?(一同笑)。お前、アメリカ人に怒られるぞ」
磯谷「皆、鉄砲を持ってるんですよね?」
山中「まぁ、日本人が刀を持ってるくらい持ってると思うよ(笑)」
磯谷「あははは! アメリカ、楽しみだな」
山中「俺は仕切る側だから、色々不安だわ。人数が多すぎる。空港とかで絶対ドタバタするからなぁ。前、俺とシンちゃん以外、全員乗り遅れたことがあって(笑)」
磯谷「荷物だけ先に着いちゃったっていうやつですよね(笑)」
山中「そうそう。あっayumiちゃん(noodles)が乗り遅れたっていうのもあったし、だから色々不安。なんか、塩井がいなくなりそうで不安(笑)」
磯谷「あははは!」
山中「スタッフも入れて19人だろ……。19人でアメリカはきついな。19人でパッと入れる店もないし」
磯谷「あぁ。そうですよね」
山中「淳は塩井とかといるじゃん。俺は、磯谷とか中川といるのかな」
磯谷「イヤですか?(笑)」
山中「いや、イヤじゃないけどさ(笑)。noodlesはイキイキしてそう。(アメリカは)俺より行き慣れてるからね」
―― やっぱり、グループみたいなのが出来るんですね。
山中「そうだね」
磯谷「韓国の時も、分散してましたね」
山中「俺さ、間違えて、yokoちゃんとスタッフAちゃんと友達っていう、女の子4人に混じっちゃって。仲良いから別に良かったんだけど、コスメとか見てるわけよ! だからずっと外にいて(一同笑)」
―― 韓国だったら、余計そうなりますよね(笑)。
山中「そう(笑)。(4人は)俺に対しての気遣いがゼロ! ほぼ外に1人でいるっていう午前中を過ごし、飯食ったら金出すのは俺(一同笑)」
磯谷「お父さんみたい(笑)。その夜、さわおさんと焼肉を食べに行って」
山中「あれは高くて死んだ(笑)。まぁまぁ金持ってったけど、叙々苑よりも高かった! ビックリした。全部払う気でいたけど、足りなかったもん」
磯谷「さわおさんの全所持金で払えなくて(笑)。高かったですね、あそこは」
山中「高かった。しかも、わんこそばみたいな、わんこ焼き肉で(笑)。おばちゃんが、“はい、食え。はい、食え”って、どんどん(お皿に)入れてくんだよ!」

磯谷「飲み物も味わえないぐらい(笑)」
山中「ワンドリンク、わんこ焼き肉で、結構な額だったからな」
磯谷「わんこ焼き肉っていうのを、初めて経験しましたよ。韓国は皿を空にしない文化らしくて」
―― じゃあ、そのおばちゃんがずっと隣にいるんですか?
磯谷「そうだよ。おばちゃんが焼いてくれて」
山中「最初はいいなって思うんだけど、テンポ感がすごい(笑)」
磯谷「すごいですよね!!」
山中「あれを日本で食ったら、いくらになるんだろっていう話だよ」
磯谷「確かに!」
山中「ただ……うまかった(笑)」
―― 韓国の焼き肉の方が、日本より味が薄いって聞いたことがあるんですけど。
山中「もちろん色んな店があって。前の日の打ち上げで、3~40人くらいで行ったお店よりも高かったからね(一同笑)」
磯谷「焼き肉兼居酒屋みたいな所なんだけど」
山中「しかもそこは好きなだけ、何時間もいたしな。だから、この2つで韓国の焼き肉は語れない!!」
全員「あはははははは!」
山中「友達が観光名所に載ってて、行ってみたいって言った所が高かったから、そいつに払わせたい(笑)」
磯谷「そうでしたね(笑)。その日はライヴの翌日で、終日オフの日だったんですよ。僕は、午前中は38度線※バスツアーに行って。the pillowsのマネージャー・Mさんとメンバーと」
※北緯38度線に引かれたアメリカ軍とソ連軍の軍事境界線
山中「中川は二日酔いでゲロ吐いたっていうやつだろ?」
磯谷「そうです(笑)」
山中「ひどいなぁ(笑)」
磯谷「僕とさわおさんは(打ち上げを)早めに切り上げたんですけど、淳さんとうちのメンバーは地元チームといて、淳さんに“お前ら、明日行くことねぇから飲め!”って言われて残って、朝の6時くらいまで飲んだみたいで。それじゃ、しょうがないんですけどね(苦笑)」
―― 確か、(お酒の)割り方が特殊だったよね? ビールと焼酎じゃなかったっけ?
磯谷「そうそう! 韓国の独特な飲み方で、きついんですよ。それを皆で飲み始めてっていう。だから、いつも日本で飲むよりも効いてたと思う」
山中「淳はね、酒が強いんだわ。酒強いから、あのペースでいったらダメなんだよ(笑)」
磯谷「アメリカはもっと違った、面白い話ができたらいいですね(笑)」
山中「面白いと思うよ」
磯谷「じゃあこのアメリカツアーを終えたら、何か企画しましょ。この連載で。さわおさんを巻き込んで(笑)」
―― 磯谷君は、さわおさんのソロアルバムを聴いたんだよね?
磯谷「聴きました。今日も聴いて来ました」
山中「意外とやるだろ?(ニヤリ)」
磯谷「色々、教えてほしいんですけど!」
山中「何をだよ(笑)」
磯谷「今回のアルバムはキーが低い曲が多いですよね?」

山中「そうだね。低いのばっかりだね。ライヴをやる想定じゃな いからね。低いぼそぼそした感じが好きなんだけど、ライヴだと楽しくないんだよ。ピッチが取りにくいし。ライヴはアッパーか熱唱がしたいから、熱唱せず アッパーでもなく、ミディアムでぼそぼそっていうのは音楽としては好きなんだけど、ライヴだとあんまり燃えないんだよね」
磯谷「低いキーだと、コーラスで別のアプローチの仕方がありますもんね」
山中「そうだね」
磯谷「それがビックリしたというか。さわおさんがやってると新鮮なんですよ」
山中「そうだね。せっかくソロだからね」
磯谷「また、ゲストミュージシャンも凄まじい(笑)」
山中「いやぁ~楽しかった。キュウちゃん(クハラカズユキ・ The Birthday)とかね、素晴らしいよ。面白いし。100点だね。ドンカマ※が合ってるかっていうとそうでもないんだけど、それがプラスかマイナスかっ て関係ない世界なんだよね。 普通、ドンカマとずれるとさ、ずれた分つじつま合わせた時におかしくなるじゃん。急につまったり、逆にだれたりするじゃない。なんだけど、どうしてか、ふ わっといってふわっと戻る、みたいな。人間のグルーブとして自然なんだよね」
※演奏時にリズムが狂わないようにガイドとして流れるリズムボックスのようなもの
磯谷「マジックですね」
山中「不思議な人。上手いし、音もいいし、曲の理解力がすごい ね。ドラムスっていうよりは、音楽をよく知ってる人っていうかさ。プロデューサーとか出来そうな感じ。だから、ギターのアイデアも言ってくれたしね。素晴 らしかったな。あっこちゃん(福岡晃子・チャットモンチー)も相当凄かった。ビックリした。演奏力もだし、アイデアも良くて。やっぱり、トリオのギター ヴォーカルがやることなんて限度があるじゃない。だからベースが何か色付けしないとっていうポジションにいるから、最初はちょっと不安だったんだよ。そん な思い切っていいの? みたいなさ。でも、全然良かった」
磯谷「20年間the pillowsで培った感覚があるわけじゃないですか。だから、普段やらないメンバーとやるっていうのは新鮮ですよね」
山中「だから不思議なもので、実はソロアルバムの方がバンドら しいんだよ。今のthe pillowsの方が、すごく細かく指示するの。俺はこうしてほしいんだ、っていうのを細かく言うけど、ソロは個性があって成り立ってる人にお願いしてる から、リクエストしないんだよ。えっ、って思っても、楽しみたいというか。それを指示したら、その人とやる意味がないじゃない。だったら自分でプログラム を組めばいいわけだし。だから、それぞれの意外性に乗っかったんだよね。だからバンドっぽい」
磯谷「ソロだからこそっていう認識で進めるつもりが、どんどん新しいアイデアだったりとか、そういうものを取り込むことが癖になってしまったんですね」
山中「そう、そう。だんだん、後半になったらギターのこともゲストに聞いてて。“知りませんよ”って言われた(笑)」
磯谷「あははは、そりゃそうですよね。……ライヴはやらないんですよね?」
山中「出来ないね。ギターが3人くらいいないと出来ないし、有 難いことに参加してくれた人たちが楽しんでくれて、皆ライヴをやろうって言ってくれるの。で、皆自分が採用されると思ってんの(笑)。都内ならいいけど、 ツアーだったら結構セレブリティーな金額がかかるからね。2曲で交代、みたいなさ」
磯谷「ある意味、the pillowsよりお金がかかりますよね(笑)」
山中「めちゃめちゃかかるよ! だから、ありえないな(笑)。キーも低すぎて無理だし、ギターは(音を)重ねすぎたから、これをパッと弾ける人が思いつかない。俺が作るアルペジオって、上手い下手じゃなくて、人がやるにはめんどくさいんだよ」

磯谷「ライヴをやることを想定してたら、あの音になってないことって沢山ありますね。それは聴いてても思いましたよ。……ちょっと僕、宅録をやってみます」
山中「磯谷はプロトゥールス持ってるんだっけ?」
磯谷「持ってます」
山中「じゃあ、全然成り立つね」
磯谷「いや、どうかなぁ……。センスですからね」
山中「センスあるんだろ、お前?」
磯谷「センスはありますけど」
全員「あははははは!」
磯谷「(出来たら)聴いてくださいね。5年くらいかけて作るんで(笑)」
山中「あははは、長いよ(笑)」
磯谷「さわおさんの宅録はMTRですよね?」
山中「あれはもうダメだ(笑)」
磯谷「ソロだから、全部それでやるのかと思ってました」
山中「色々考えたんだけど、ソロって何通りかあるじゃない。全 部自分で完結したっていうソロと、色んなミュージシャンを呼んだよっていうソロと。そのどっちでもないっていうね。全部自分でやったっていうのに興味がな くて。俺はベースとかドラムを自分でプログラムするとか弾くっていうのを、やりたくないのよ。やりたくないのにやるなんて、おかしいじゃん。俺より才能の ある人がいるんだからさ。たぶん、ソロがやりたかったんじゃなくて、the pillowsじゃないことをやりたかったんだよ。シンイチロウ君と真鍋君は音楽的にはいいよ。人的にはうんざりなんだよ!(一同笑)。飽き飽きしてるか らね、まぁお互い様だと思うんだけど。だから、the pillowsじゃないことをしたいんだなって思った。あとは、ギターを弾きまくりたい。だから、ベースとかドラムは頼みたい人に頼もうと思ってたし、ギ ターは楽しもうと思ってたかな」
磯谷「へぇ。なるほど」
山中「次のソロは、来年か再来年に時間があって作るとしたらの目論みがあって。今度は、作詞作曲を人に振ってみたい。全曲じゃなくて、誰かに作詞を頼んだら俺が作曲、誰かに作曲を頼んだら俺は作詞、みたいな。そっちもやってみたいなと思ってて」
磯谷「それは凄いですね」
山中「やっぱり20年以上やってると、今までやってないことをやりたくなるのかもね」
磯谷「それは見当もつかなかったです。さわおさんはずっと、自分が書いた曲をバンドでやってきたから。……書きますけど?(笑)」
山中「磯谷には、詞は頼まない」
全員「あははははははは!」
山中「意味がわかんないから、まったく。曲は頼むかもしれないけど、詞は頼まない(笑)」
―― では、そろそろお時間ですが……。さわおさんと話して、どうだった?
磯谷「今日は何か変な感じになっちゃいました」
―― 普段に近い会話?
山中・磯谷「もっとひどい(笑)」
磯谷「俺はもっと、さわおさんに甘えてる感じ」
山中「いつもは、こうだよ!(肩を抱き、頭を撫でる仕草をする)」
全員「あはははははは!」
山中「俺は、男でも女でもどっちでもいけるから!」
全員「あははははははははは!」

<対談後の感想>
■磯谷直史:こうやって改めてさわおさんと話せて楽しかったです。セッティングしてくれたスタッフに感謝です。改まって話すと、初めて下北で一緒に飲んだ時の事を思い出しました。
■山中さわお:磯谷とはプライベートでさんざん喋ってるから、改めて対談は不思議だったかな。案外出会ってから月日が経ってるのを再確認しました。またタッグを組んで良い音楽を作るよ。
<編集後記>
磯谷氏の一番信頼している、さわおさんとの初対談は、どこか緊張しつつも楽しそうに話しておりました。他では聞けない裏話が知れたりと、スタッフも楽しみながら2人の話を聞いてました。 この後も飲みは続き、その時も良い話をしていたので勿体ないことをしたなと、ちょっと後悔。。録りっぱなしにすればよかったですね……。
そういえば対談中に、さわおさんを巻き込んで何かしたいという話が浮上していましたね。磯谷氏が何かを企んでいますよ!! 皆様、お楽しみに♪
構成・文 : 天明美里
撮影 : 釘野孝宏
リリース情報

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