[2009/05/01]
昨年の11月からスタートし、全国津々浦々54本ものライヴをこなしてきたdustoboxの最終公演(4月24日)は、バンド最高のパフォーマンスと観客の温かい歓迎に包まれた。ここへ来て、さらに絆を深めたdustboxの真実とは?
昨秋に5枚目となるアルバム『Blooming Harvest』をリリースし、全国で54本ものツアーを行ってきたdustbox。この日は正真正銘のラスト、前日に引き続いての渋谷AX2日目のライヴとなる。オープニングのSTOMPIN’ BIRDが登場した時点で既に場内はかなりヒートアップ! 演奏そのものはガッツリとスキを見せず、そのくせ全体の雰囲気は妙に人なつっこい STOMPIN’ BIRD のパフォーマンスは、最高に気分を盛り上げてくれる。「初日と最後、オイシイところ取っちゃった」みたいなMCをしていたが、それもdustboxからの信頼が厚いからこそのサポートの抜擢だろう。
一気にテンションが上がった状態で、遂にdustboxが登場。この日のライヴは新作ツアーにふさわしく『Blooming Harvest』からの冒頭3曲、「Hurdle Race」「Sunburst」「Spacewalk」から始まった。ご想像の通り、既に一曲目からしてダイヴ&クラウド・サーフィンの嵐で、フロアの客はぐちゃぐちゃにかき回されている。フロアにはびっちりと人が詰めかけていたが、右に左に前に後ろに、ぐわんぐわんと揺れている。隙あらば「オイ、オイ、オイ、オイ」コールが方々から上がり、さらにヴォルテージが上がっていく。バンドと観客、双方から放出されたエネルギーが渦を巻いて天へ昇るような、まるでその筋が見えるようなムンムンとした熱気。ここまでの凄まじいライヴは最近体験していなかっただけに、ちょっと度肝を抜かれた。
駆け抜けるように6曲演奏して、「ただいまー」とジョージが第一声。「ホント、無事に帰ってこれて最高の気分です。今日もガッツリやるからな。いつも通り、ケガしない程度で、やっちゃいなさい」と煽れば、会場からウォーッの声が。続けてスガが「俺らの吸収してきたもの、全て吐き出すからな!」と宣言し、そのまま「Sun which never sets」へとなだれこんだ。まるで俊敏なサラブレッドのごとく疾走していく3人は、存分にこの場を楽しんでいるようで、イキイキとした表情にその充実感がみなぎっている。これだけスピーディな曲をやっても統制がビシッと取れて、一糸乱れないのはボトムを中心に土台がしっかりしているからだ。本人たちも言っていたが、ツアーの初めの頃よりは格段に新曲の演奏力も上がっているはずで、ツアーを通して獲得した「余裕」がこの日の演奏には感じられた。やはりバンドたるもの、頭ではなく体で演奏は学ばなくてはいけない。「Smile like a child」の“チャラ~ン”とギターを鳴らすタメを効かせたイントロでは、またもや客が大喜び。ちょっとしたことにでも反応する彼らは、とことんまで dustboxが大好きなのだなと、改めて感じられる瞬間であった。
「ちょっとフォーク・シンガーになってみようかな」と、スガがアコースティック・ギターに持ち替えて披露したのは「Sleepless Night」だ。「Sleepless Night」は、『Blooming Harvest』の曲作りでパニックになり眠れなかった時に、「自分が眠れそうな曲を作ろうと思って作った」そうで、「眠くなったら寝ちゃって下さい」と語り、しっとりと歌い上げた。くっきりとスガのヴォーカル力が浮かび上がり、パンクだけに止まらない魅力をしっかりと感じ取ることができた。
ここでちょうど折り返し、次からは後半戦へ。「Bitter Sweet」のイントロではオイ・オイ・コールが生まれ、「Wall Of Ice」では彼らならではの叙情性を織り込み、そして「Right Now」の後に長めのMCタイム。「今回のアルバムの制作前に、合宿に入りました。メンバーのテンションがアガらねえみたいな感じで……そんで、メンバーでぶつかり合いをして、まずモメました。そっから曲作りが楽しくなりました」とスガが述べ、その後にメンバーとの絆を再確認したことを報告。客にも他者への思いやりを忘れないで欲しいというメッセージを投げかけると、じっくり聞き入っていた客席から大きな歓声がわいた。「Hand in Hand」の後に、今度はジョージが長いMCを。「今日は一曲、一曲噛みしめちゃうんですよ、ホントにツアーが長過ぎちゃって。ステージの上って、3人の世界しかなくて、前だったら誰かがトチッたらそいつのせいにしてたんだけど、今はオレがミスったら誰かが助けてくれる。スガがミスったらオレが助けてやる。レイジがミスってもオレが助けてやるよ。オレはメンバーを愛してます!」という感動的な告白(とあえて言おう)で、場内は温かい空気に包まれた。さっきのスガの発言といい、本当に彼らは“信頼”という名の下に活動を続け、毎日を過ごしているのだ。だからこそ芯がぶれることなく、鉄壁のアンサンブルで演奏できるのだ。
その後、高速で3曲をかっ飛ばして、気がつけばあっという間に本編が終了。もちろん絶え間ないアンコールの拍手の中、笑顔で登場したメンバーはゲストを引き連れていた。それがTOTALFATのKubotyとゲーム・キャラのルイージに扮したSTOMPIN’ BIRDのTOM。メタル魂をぐっと注入されて大増幅された「S×O×P」は、アンコールとは思えないほどの盛り上がりを見せた。Kuboty、ルイージのユニゾン・ソロには燃えましたよ! ダブル・アンコールの一曲目には「Promise You」なんて懐かしい曲もやってくれて、オールド・ファンは狂喜乱舞したに違いない。最後の最後は一回りして「Hurdle Race」で締め。これから夏に向けてもdustboxはどん欲にライヴを続けるが、ひとまず現時点で最高のショウだった。きっと会場で暴れ回ったファンにとっても、それは同じだったろう。
セットリスト
――――――――――――――――――――――――――
1 Hurdle Race
2 Sunburst
3 Spacewalk
4 Try My Luck
5 Daisy
6 Not Over
――――――――――――――――――――――――――
7 Sun which never sets
8 All up to me
9 Falling
10 Thorny Road
11 Smile like a child
――――――――――――――――――――――――――
12 Sleepless Night
――――――――――――――――――――――――――
13 Bird of Passage
14 Bitter Sweet
15 Wall of Ice
16 Right Now
――――――――――――――――――――――――――
17 Hand in Hand
――――――――――――――――――――――――――
18 Life is Beautiful
19 Stand By Me
20 Tomorrow
――――――――――――――――――――――――――
En1
1 SxOxP
2 Neo Chavez 400
3 Next Story
En2
1 Promise You
2 Jupiter
撮影 : H.and.A
文 : 小口正貴
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