
BINECKS
「ただ悲しいことだけで終わらせたくない。
その中でも、前にいこうよっていう意思で届けたいと思っているんです」
2010年。新しい年の幕開けを飾るのは、BINECKS史上初のミディアムソングの5thシングル『FRIEND』。今作は、BINECKSらしい深く重いサウンドに、それぞれの中にいる大切な人との思い出が蘇ってくるような歌詞が綴られている。カップリングには、BINECKSが得意とする攻撃的で突き抜けていくようなロックなナンバー「ONE LOVE」、ゲームヤロウ オンラインゲーム『鉄鬼』のイメージソング「My ghost ?MG Version-」が収録されていて、色んな表情をしたBINECKSを味わえる1枚となっている。
今回はヴォーカルのKEITAに、楽曲への想いをインタビューした。
―― 『FRIEND』は、意外に今までなかった楽曲の雰囲気ですよね。
「ミディアム系をやってなかったことはないんですけど、シングルでっていうのは、まさにお初ですね。それは、あえて狙ってなんですけど、そこに行き着くまでに紆余曲折はありましたね。結果、今までとは違うミディアムにしようというメンバーとスタッフの意向で、この曲に決まりました」
―― なるほど。今までとは違うっていう面では、シングルの1番目にミディアム系っていうのは、やっぱり意外な感じがしましたね。でも、ちゃんとBINECKSの持つカッコ良い部分があるっていうのが、さすがだなと。
「ありがとうございます。カッコ良くないと、出せないでしょうね(笑)」
―― ですよね(笑)。タイトルは『FRIEND』ですけど、曲の世界観を見ていると、思い浮かべる大切な人って人によって違うのかなって思ったんです。
「そうですね。今回、詞を書いてるのはDAITAで、聴いてもらうとわかると思うんだけど、すごく大きなテーマで書いているんです。出会いと別れがあって、それが恋人同士なのかもしれないし、生と死っていう話なのかもしれない。そこは、それぞれ聴いた人がどう捉えるかっていうのがあって。いつもこっちから、絶対こう聴いてっていうのはないので、どういう状況を描いて、何を感じてもらえるかっていうのを、聴き手に委ねたいっていう想いですね」
―― 今の時期って、出会いよりも別れが多いじゃないですか。
「うん、そうかもしれないですね」
―― だから、このタイミングでのリリースはピッタリだなって思いました。
「ちょうどね、寒い時期に。テーマ的には、広く捉えてもらえるかもしれないですね」
―― そのテーマの一つでもあると思うんですけど、“悲しさ”っていうのが歌にすごく出てましたよ。
「こういうテーマを選んでいるからこそ、重たい言葉にもなるんだけど、実際悲しい現実もあるんですよね。ただ、そういう中でも生きていく俺たちは、ただ悲しいことだけで終わらせたくなくて。その中でも、前にいこうよっていう意思で届けたいと思っているんです。なんか、そういうバンドなんですよね。そこが肝だったりするんです。ただ悲しいだけで干渉に浸るだけじゃなくて、男のロマンというか、そこを感じてもらえると嬉しいですね」
―― 初めてこの曲を聴いた時は、どんな風に感じました?
「めちゃめちゃ良い曲になるんじゃないかなって思いました。前回のライヴツアーの後から作業に入ったんだけど、何曲かまとめて作ったものを送ってもらって、聴きながら作業していくっていう流れが続いたんですよ。で、この曲は最初に送られてきた中に入ってて。その時点で、こういう曲がシングルになったら良いなって思ったんです。今までのDAITAのデモは、アコースティックギターとキーボードのメロディーだけがのっかってるっていうパターンが多かったんですけど、この曲に関してはそれだけじゃなくて、弦関係も全部打ち込んであったんですよ。“これでどうだ!”っていう感じで。だから、すごく想像もしやすかったし、大きな情景も浮かびましたね。その時は、まだ詞はなかったですけど、絶対良い曲になるなって思いました」
―― なるほど。DAITAさんの中で、曲のイメージが出来上がってたんですかね。
「彼の中にはあるらしいですけどね、いつも。そのDAITAが描いているものが、100%そうならないっていうのがバンドだと思うんだけど、テーマはこういう方向にいくんだろうなっていうのは、その時から考えてたと思いますね」
―― DAITAさんもこの曲をシングルにしたいという思いはあったんですか?
「DAITAは無かったらしいですよ(笑)」
―― あははは、そうなんですか(笑)。
「最初におっしゃって頂いたように、今までのBINECKSって、アップテンポでビートのハッキリした攻撃的なロックっていう感じのシングルを出してきたんですよね。だから、(候補の中に)その方向の曲も実はあったんですよ。それが今回、結果としてはカップリングに入ってるんですけど」
―― 「ONE LOVE」ですか?
「はい。実は、この曲をシングル候補で考えるっていう方向で作り始めて、ある程度デモ作業が進んできた辺りで、飲みの席でミーティングをし(笑)、実際どうするっていう話になった時に、実はみんなこっち(「FRIEND」)が出したいんじゃんっていう話で「FRIEND」になったっていう経緯もあるんです。今までとは違う、ものすごくわかりやすい形で変化を出してもいいんじゃないかっていうので決まりましたね」
―― レコーディングの時にDAITAさんから、こういう風に歌ってほしいっていう要望はありました?
「一番最初は言われないですね。BINECKSってプリプロをあまりしてこなかったんですよ。ぶっつけ本番みたいな(笑)、そういうところがあったんですけど、今回はそれぞれメンバー同士で、レコーディングツール(MTR)でのやり取りをしたんですよ。本番に臨む前に。もちろん音楽的な指示はありましたけど、感情の部分に関してはそこまで言われなかったですね。それは、イメージが限定されちゃうからなんですけど。たぶん、僕が歌ってどうなるかっていうのを考えながら作ってくれてると思うので、僕は僕の表現をぶつけるのみっていう感じですね」
―― 感情っていう部分でいうと、初期の頃よりもすごく感情が伝わってくるようになったと思うんですよ。
「そう言って頂けるのは、ありがたいです(笑)。あまり考えないって言ったらちょっと違うんですけど、確かに細かいことを考えなくはなったんですよ。その、感情の部分で言うと。すごくシンプルに歌に繋げるようにしたっていうのはありますね。ある意味、BINECKSの初期の頃って技術的にも精神的にも、何もわからないわけですから、すごく頭でっかちになってる部分はあったと思うんですよ。ただ、残したレコーディングテープに対して後悔はしてないですよ。その時の全力なんで。ただ今回は、あれこれ考えながら歌うっていうことはなかったですね。(感情が伝わるのは)そういう部分なのかな」
―― なるほど。昔より肩の力が抜けたような気がするんですよね。そう感じるのも、そのKEITAさんの中での変化が出ているのかな。
「どうなんでしょうね。僕の中では、良くも悪くも開き直ったっていうのはありますね(笑)」
―― 先ほど、A面になりかけた曲だとおっしゃっていた「ONE LOVE」ですが、この曲を聴いた時に、攻撃的で突き抜けていくようなロックなサウンドなので、BINECKSの得意としているナンバーだなと思いました。ライヴ向きだなと。
「まさにそうだと思います。今までのアップテンポ曲以上に、ものすごくわかりやすくて、メンバーもそれぞれの力を発揮している曲だと思うんですよね。音楽的に、歌の為に隙間を空けようっていう感じの曲ではないです(笑)。そういう意味では、メンバーの作るサウンドと歌との戦いが出てると思いますよ。譲り合いな感じではない。ロックっていうものを感じやすい曲になったんじゃないかなって思いますね。僕が言うのもなんですけど、ギターソロがめちゃめちゃカッコ良い(笑)」
―― はい。私も好きです(笑)。
「個人的に、このスリリングなソロは、今までのBINECKSの曲でベスト3には入るかなと。僕が弾いてるわけではないけど、ここはぜひ聴いてほしいところですね」
―― 歌ってても気持ち良いんじゃないですか?
「実際ライヴでやってみないとわからないですけど、レコーディングの時は、気持ち良いと思いながら歌ってると負けますね。だから、本当に気持ち良くなれるのはライヴの時だろうなって思います」
―― ライヴで強烈な4人が戦ってる姿を想像すると、すごいことになります(笑)。
「もう、そこは曲を聴いて妄想してほしいです。「FRIEND」で初めてBINECKSを知った人は、2曲目を聴いたらぶっ飛ぶかもしれませんね(笑)。良い意味で、ぶっ飛んでほしいです」
―― そうですね(笑)。「FRIEND」はどちらかというと、馴染みやすい曲ですもんね。
「そうですね。メロディーも頭に残ると思うし。「FRIEND」をきっかけに、老若男女に聴いてほしいですね」
―― 例えばロックを普段聴いてない人が、このシングルを聴いてロックに目覚めるかもしれませんしね。
「そういうきっかけになってくれたら嬉しいですね。なかなか、こういうことを出来るバンドっていないと思うんですよ。そこは自負してる部分でもあるので、興味を持ってもらえたら良いですね」
―― 3曲目の「My ghost -MG Version−」はライヴで、バンド対オーディエンスでの戦いになりそうだなって思ったんです。バンドは曲でオーディエンスを攻めて、オーディエンスはその攻めに立ち向かうというか(笑)。
「はい、確かに。この曲は今までのBINECKSの中でも、すごく珍しい曲なので、今までライヴに足を運んでくれてたファンの人たちは、どう楽しんでやろうかなって思うくらいの曲だと思いますね」
―― そういう面でも、このシングルを聴いて、次のライヴが楽しみだなって思いました。
「そうですね。僕らもすごく楽しみです。「ONE LOVE」みたいな、今まで見せてきた得意分野と、新しいことをやっていくぞっていう、変化を求めるような力と、っていうテーマを秘めつつ次のアルバムに繋がり、その上でのライヴなので、楽しみにしててほしいなと思いますね」
―― 次のアルバムはどんな1枚になりそうですか?
「“これぞ、BINECKSだな”って思ってくれるような曲もあれば、“えっ、ここまでいく?!”っていう感じの曲もあると思うんですよ。全部含めて言えるのは、去年のライヴツアーがなかったら生まれなかったアルバムだなって個人的に感じていて。どの曲を聴いても、やっぱり見えてくるのはライヴなんですよね。みんなが沢山気持ち良くなれるアルバムになってるんです。なので、このアルバムを聴いてライヴに来てほしいですね」
―― 去年のツアーは、初めて4人のみで行ったライヴでしたけど、実際やってみてどうでした?
「すごく楽しかったですよ。驚きとかワクワクだったり、ライヴの気持ち良さだったりを一遍に感じたツアーでしたね。今回はとくに、新境地に向かおうとする力みたいな、そういう意味でのベクトルが4人一緒に向いてたんだと思うんですよね。“もっと、もっと!”っていう(笑)。それを肌で感じられたので、すごい貴重な良い経験になりましたね。最終日のハプニングを除けば」
―― KEITAさんがインフルエンザになってしまい、公演が延期になったんですよね。
「はい。本当に楽しみにしててくれた人の中で、実際振替公演が観れなかった人たちもいるだろうし、それを思うと、やるせない気持ちもあるんです。そういうのも含めてね、個人的にはあのツアーで色んなことを経験しました」
―― パフォーマンスの部分で感じたのは、あのツアーから、KEITAさんの男臭さとかが出てきたと思うんですよ。
「……開き直ったんでしょうね(笑)」
―― あははははは!
「昨年のテーマはそこに尽きるんですけど(笑)。誰しもが人間的に成長したいと思うと思うんですけど、それが僕にとっては“ロックバンド・BINECKS”っていうのと、リンクしてなかったんですよね。そういうのが大きかったなと思います。そこは開き直って、“誰にどう思われてもいいじゃないか、俺は俺じゃないか”とある意味自暴自棄になった時に、1mmくらい光が見えたんです。そこを広げようとしたツアーでしたね。そしたら、思いのほか周りには大きな変化に映ったようです」
―― なるほど。あのライヴは、それを一番感じましたね。変わったし、成長したなって。
「急に金髪になったこともそうなんですけど(笑)、細かいことかもしれないけど、今まで自分の中に無かったもの・良かれと思って避けてきたことをやってみたっていう、ただそれだけだったりするんですけどね。やっぱり、試してみないとわからないものですね。人に何かを届けたりとか、見られる立場として、そういうこともすごく勉強になったツアーでした」
―― では最後に、2010年はどんな1年になりそうですか?
「今見えてるのはシングル・アルバムのリリースとツアーなので、それらを届ける為に全力でやるっていうことに尽きると思いますし、人間としてもアーティストとしても、なりたい自分になるっていうことを追い求めていきたいですね。それを、実際に表現していきたいです。今まではなかなか、そういうことが出来なかったので。やっぱり、ライヴがそういうことのきっかけになってるんですよね。自分の人間観を変えるのもライヴだし。そこに向かって全力を尽くしたいなと思います」

TECI-211
「FRIEND」
Imperial Records
【発売日】2月17日
【価格】1,200円(税込)

TECI-1276
「Change and Chain」
Imperial Records
ニューアルバム
【発売日】3月24日
【価格】2,800円(税込)
BINECKS LIVE TOUR 2010-Change and Chain-
4月 9日(金) 町田Clove 18:30 / 19:00
4月11日(日) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 16:30 / 17:00
4月15日(木) OSAKA MUSE 18:30 / 19:00
4月16日(金) 名古屋Electric Lady Land 18:30 / 19:00
4月18日(日) 渋谷クラブクアトロ 16:00 / 17:00




















